
原形不定詞の使い方まとめ
英語学習をしていると「to不定詞」という言葉はよく耳にしますが、それとは別に「原形不定詞」というものもあります。原形不定詞とは、to を付けずに動詞の原形そのままで使う形のことです。
見た目は普通の動詞と変わりませんが、主語が三人称単数であっても常に動詞の原形が使われます。出現するパターンは限られているので、文法というよりも決まった言い回しとして覚えてしまう方が効率的です。
知覚動詞と原形不定詞
「見る」「聞く」「感じる」など感覚を表す動詞(知覚動詞)の後には、[動詞+目的語+原形不定詞] という形がよく使われます。
この場合の意味は「Oが〜するのを知覚する」となり、動作の全体を目撃・体験しているイメージです。
例:
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I heard someone knock on the window.
誰かが窓をノックするのを耳にした。 -
She watched her friend open the present.
彼女は友人がプレゼントを開けるのを見守った。
また、知覚動詞の補語が現在分詞(〜ing)になることもあります。こちらは「Oが〜しているところを〜する」という訳で、行動の一部分を切り取って描写するニュアンスがあります。
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I saw Mike running down the street.
マイクが道を走っていくのを見かけた。
使役動詞と原形不定詞
「〜させる」という意味を持つ使役動詞も原形不定詞と結びつきます。代表的なのは make, have, let です。
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make+O+原形不定詞 → 強制的に〜させる
例:The teacher made the students rewrite the essay. -
have+O+原形不定詞 → 依頼して〜してもらう
例:I had the mechanic check my car. -
let+O+原形不定詞 → 許可して〜させる
例:My parents let me stay out late.
また、force / compel / oblige のように「強制」を意味する動詞は [O+to不定詞] を取るので注意が必要です。
be動詞+原形不定詞
基本的に be 動詞の補語には to 不定詞が来ますが、「All S have to do is…」という表現のように、原形不定詞が続く決まり文句も存在します。
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All you have to do is wait here.
君がするべきことはここで待つだけだ。
同じ意味で “All S need to do is…” という言い方もよく使われます。
このように原形不定詞は登場場面が限られているからこそ、例文とセットで覚えると実際の英会話や読解でとても役立ちます。特に知覚動詞や使役動詞との組み合わせは日常会話でも頻出するので、意識して練習してみると理解がぐっと深まるでしょう。